出会い系サイト体験談(第3話)
総アプローチ数は1,000を超えていただろう。
”出会い系サイト”のメールアプローチ技術は相当なレベルに達していたと思う。
サイトを繰り返し利用するうちに、女性から送られてくる文章を読めば、本物か偽者なのかの見分けがつくようになっていたし、メールを交わす間に〝会える“、”会えない“の結果がある程度わかるようにもなった。
更に経験値を増やす意味でも、色々な出会い系サイトを新規開拓し挑戦を続けていった。
中には〝ちゃっちいサイトで登録人数も少なかったが、しっかりと機能しているもの“などもあった。
ある日、ある “出会い系サイト” で、例の如く
【登録費無料!】
初回500ポイント無料提供!
などと書かれていたため、オモシロ半分で参加してみた。
この手のサイトは、登録すると決まって女性からメールが直ぐに届きだす。
プロフィールなんか書かなくてもどんどんアプローチのメール届くのだ。
そんなメールの中に、風俗嬢と名のる女の子がいた!
色々なサイトがあるが、男が好きそうな職業を載せてるサイトはほぼ怪しいものばかりだ(笑)
看護婦、秘書など、この手のサイトの登録者として載っているのをよく見かけるが、誰のセンスで設定しているのだろうと思う。
そして、風俗嬢と名乗る彼女のメールに僕が返信すると、直ぐにお礼のメールが送られてきた。
“ありがとう。
返事がもらえるなんて思っていなかったから嬉しいです¥(^^¥
これから仲良くしてね。“
今まで通り、ごく普通のやり取りからスタートした。
今回は別の意味でなかなかノリの良い楽しい娘だった。
案の定、直ぐにポイントは無くなっていったので、予定していた実験を開始した。
そして、僕は彼女に告げる。
僕:ごめん、もうポイントがないからメール送れなくなるよ(涙)
娘:ポイント買ったらもっと私と話せるよ。
僕:どうやって買うの?
娘:画面にポイント購入っていうところがあるから、そこから入って買うんだよ。
僕:今手持ちのお金ないし
娘:クレジットカードがあるでしょ。
僕:あっ、そうだった・・・。ごめん財布会社に忘れてきたからカードがない。もう、あきらめるよ。もっと話したかったけど。
娘:他に無いの?カード。
僕:明日になればなんとかなるんだけど・・・・・・。もういいよ。今日でこのサイト辞めるよ(涙)
娘:わかったわ!私、このサイトの管理人さんと仲いいから、今回は私が管理人さんに頼んであげる。ちょっと待ってて!
僕:ホント!ありがとう(^^)
娘:でも、明日はちゃんとポイント買ってよね。私無理やり管理人さんに頼むんだからね。
僕:わかったよ。サンキュー。
すると不思議なことに、画面右上の[保有ポイント表示欄]のポイントが〝増えた“ ではありませんか!
これは面白いと思いました!
翌日も僕はクレジットカードを会社に忘れたことにしました。
娘:ちょっと何してんのよ!ちゃんとポイント買うって言ったでしょ!
僕:もう、忘れてきちゃったから仕方ないよ。もう一回管理人さんに頼んでよ!
娘:できるわけないでしょ!
僕:じゃあ、しかたないから今あるポイントの中でしか話せないね(涙)
娘:いいの?私ともう話せなくなるんだよ。それでもいいの?????
僕:しかたないよ。僕も君ともっとお話ししたけど、これが二人の運命だったんだね。
娘:せっかく私を抱かせてあげようと思っていたのに。
僕:僕だって抱きたかったさ・・・。切ないよ・・・。
娘:もう話せないからね。
といって、突然ポイントがゼロになった。
それから僕は嫌がらせのように、そのサイトにある <管理人への問合せメール> に何度も同じメールをしつこく送った。
“管理人さーん。もっと遊びたいからポイントちょうだ~い!”
なんど送信したことだろう。
そして、いったいどんな反応をするだのだろう。
僕の予想では、そのまま無視と思ったが、想定外のことが起きた。
勘弁したのか、管理人からプレゼントが送られてきたのだ。
突然、僕の保有ポイント数が〝999,999ポイント“ と表示された。
これが、この手のサイトの正体である。
適当な人物が、適当な登場人物に成りすまして、有もしないポイントをばらまいて金を巻き上げるだけなのだ。
そして、翌日そのポイントはゼロになっており、僕もそのサイトを開くことはなくなった。
もちろん、ヤフーパートナーだからといって安全とは言い切れない。
僕もヤフーに登録している女性にメアドを聞かれ、メアド送信後に直ぐ連絡が取れなくなったこともあるし、確証はないが顔写真を利用されたりもしているとも思う。
当時迷惑メールが増えていったのも、盗まれたメアドを利用されていらだろうし、他のサイトで顔写真だけ使われていても、おかしくないと思える状況も記憶にある。
しかし、そのヤフーを通して最初に関係を持った女性には2人の子供がいた。
もちろん、全てが遊びで “出会い系サイト” をしていた訳ではないので、子供達も含めて何度か会うちに、血が繋がって無くても可愛いもんだと思うようになっていった。
子供達に洋服やプレゼントなども買ってあげたりしたが、その女性に別に好きな人ができたとの理由で、関係は長く続くことはなかった。
次に関係を持った女性は、“ゆう(仮名)”と言う名前だ。
ゆうには男の子が1人いた。
彼女は僕に女の恐ろしさを教えてくれた人生で忘れられない女性となった。
第4話につづく。