宅建 ~4種類の制限行為 vol.2~
地方の中堅スーパーの廃業が増えているらしい。
歩いて買い物にいけるスーパーが無くなると言った声も上がっているため、日本は今後ますます都市部一極集中型の人口図となっていくのではないか思います。
逆にネットショッピングの需要は今後も増え続ける傾向が強く、宅配市場などは更なる労働力の確保が今後の課題になるようです。
さて、制限行為能力者の第2段に入ります。
前回の未成年に続き、今回は残りの3つについて学習していきます。
1つ目が成年被後見人についてです。 (1月10日に学習済み)
成年被後見人とは、精神上の障害により判断能力に問題があるとして、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた人のことです。
成年被後見人には、本人の代理として成年後見人が財産管理などを行います。
余談ですが、精神障害により、自身の財産を適正に管理することができないため、無駄に高額な物を購入したり、騙されて買わされたりと、色々な問題が発生することから、成年被後見人を保護する為に、2,000年4月に成年後見制度というものが施行されたそうです。
これは、成年被後見人の家族や弁護士らの申し立てを受けて、家庭裁判所が決めた成年後見人が、本人に代わって財産管理をすることです。
ちなみに、平成27年度の成年後見制度の利用者は191,335人と毎年増えており、その反面、成年後見人関係者が起こしてしまう事件が増えているといる悲しい現実があるようです。
では、成年被後見人が単独で行った法律行為はどのようになるのでしょうか?
その行為は、原則として取消すことができます。
ただし、日用品(トイレットペーパーとか)の購入、その他、日常生活に関する行為は取消すことができないとされています。
ところで、日常生活に関する行為ってどのような行為なのでしょうか?
あるサイトで日常生活に関する行為について記載がありましたので、参考までに載せさせていただきます。
【日常生活に関する行為】
・食料の購入
・通常の衣料品の購入
・医療費、薬品代の支払い
・家庭雑貨の購入
・郵便貯金の支払い
・電車、バス、タクシー等の利用料の支払い
・若干の娯楽への支払い
【日常生活とされない行為】
・少額も含む借財
・高額な電化製品の購入
・カードによる購入
・カード会員の加入
・通信販売での購入
・訪問販売での購入
・割賦販売での購入
・電話での勧誘販売
2つ目が被保佐人についてです。
被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者で、家庭裁判所の保佐開始の審判を受けた人を指します。
成年被後見人との違いは、判断能力の程度の違いです。
成年被後見人は「判断能力を欠く状況」、被保佐人は「判断能力が著しく不十分な状況」となります。
被保佐人には、保佐人という保護者がつけられますが、被保佐人が単独で結んだ契約行為はどうなるのでしょうか。
原則として、被保佐人が保佐人の同意を得ずに行った契約行為は有効です。
ある程度の判断能力がある為、有効と判断されるそうです。
ただし、例外として単独の契約行為が有効とならないパターンがありますので注意してください。
そのいくつか抜粋します。
① 借金をしたり、保証人になることはダメ。
② 不動産、その他重要な財産の取引をしてはダメ
③ 相続の承認・放棄または遺産分割をすることはダメ
④ 宅地5年、建物3年を超える期間の賃貸借契約をしてはダメ
⑤ 訴訟行為をしてはダメ
等があるようです。
これらの行為について、単独では行うことができませんが、予め補佐人の同意を得ていれば行うことができます。
最後は被補助人についてです。
被補助人も同じように、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である人で、家庭裁判所から補助開始の審判を受けた人を指し、被保佐人よりも判断能力が高い状態の人です。
そして、被補助人には補助人という保護者がつけられます。
では、またまた同じように被補助人が単独でした契約はどうなるのでしょうか?
被保佐人が有効なのですから、被補助人も当然有効なのでしょうね。
確認した結果、やはり当然に有効な契約となりました。
ただし、家庭裁判所は、『補助人の同意を必要とする行為』を定めることができるそうです。
例えば、『100万円以上の契約をする時は、補助人の同意が必要!』といった意味だと思います。
先ほど被保佐人は、単独契約(法律行為)が有効とならないケースが、予め定められていましたね。
しかし、補助人は法律的に一律の条件を決めるのではなく、被補助人が単独で行ってはいけない行為を裁判所が個別に決めるようです。
この、補助人の同意を得なければならない法律的行為を被補助人が無断で行った場合、その行為は取消すことができるようです。
振り返りますが、成年被後見人には法廷代理人が付くため、事理を弁識する能力に欠けた状態にある成年被後見人が代理人に同意を求めるという状況がないからだと思われます。
それに比べ、被補佐人と被補助人については、原則として有効となる契約行為が行えるため、原則でない部分について保護者の同意を求めなければなりません。
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