出会い系サイト体験談(第2話)
第1話の経験を得て、やはりネームバリューの高い会社が運営しているところが安全なのでは?と思い、次に僕が挑戦したのが、
“ヤフーパートナー” だ。
大手がやっているだけあって、それなりの審査があった。
今現在はどのようにシステムが変わっているのか分からないが、一度登録してIDさえもらえれば、サイト上に公開する名前やプロフィールは都度自由に変更できた。
無料会員では「定型文のアプローチメール」くらしか送ることができないので、当然まじめに “出会い系サイト” をするのならば有料会員になるべきだと思った。
月額の使用料を払えば、『あしあと』機能があり、誰が自分のプロフィールを見に来ているのか、また長文のアプローチメールが送れるなど、それなりの機能がついてきた。
後から感じたのだが、男性も女性も無料会員で登録している人は、プロフィールも適当であり、「定型分のメールしか送られてこない」ため返信をする気にもならないと思う。
お互いに安全性・信用性を考えた上でも、ヤフーの審査を通っている有料会員に絞ってアプローチ対象に選んでいたと思う。
ヤフーパートナーでも始めは真面目にプロフィールを記載してみたが、用心のため顔写真は載せなかった。
前回のサイトと違うところは、
”驚くほど全く女性からのアプローチが来ない事だ!”
でも、きっとこれが真実なのだろうとも思った。
女性のプロフィールを読むと、いい加減なものやおバカなことを載せているものもあった。
顔写真を載せているプロフィールが結構あるのに驚いた。
その顔写真にしても、この前のサイトと違うのは “殆どの女性がキレイに写っていない” ことだ。
でも、これが現実なのだろうと思った。
ヤフーパートナーでは、一人の女性を見つけアプローチし、出会いにつなげるまでの過程に、相当な苦労とメールのやり取りがあった。
ただ、このサイトでは本文に直接メールアドレスが打ち込めたし、メールを送る度にお金が発生することもなかったので助かった。
そして、出会い系を通して僕は初めて女性と出会うことができた。
その時の感想は
“本当に出会えるんだ!”
日曜日のお昼に福岡市中央区天神にある大丸の近くの喫茶店で一緒にお昼ご飯を食べながら僕らはお互いについて語った。
お互いの顔を知らない状態での待ち合わせだったが不思議とホントに会えるものだと思った。
食事が終わり、“また連絡するね!” と、お互いに挨拶を交わしたが、二度と連絡を取り合うことは無かった。
きっと好みでない者同士の出会いであったと思う。
それから長い期間、僕は月額の利用料をはらってヤフーパートナーをしていた。
途中、プロフィールに「自らの顔写真」を載せたりもしたが、残念ながら顔写真を載せた方が “ヒット率が悪い” と感じたため写真は載せないようにした。
まあ、確かに人様に自慢できる程、整った顔ではないのでしかたがないのと同時に、このサイトを使って多数の女性と出会うようになっていたため、出会った女性達から “まだ載せてる(笑)” なんて言われるのを避けようとする思いもあったからだ。
もう、正確には覚えていないが合計で50名位の女性と幾つかのサイトを通して出会ってきたと思う。
途中、コンパや紹介、お見合いパーティーなどにも積極的に参加していた為、離婚してから再婚する迄に100名以上の女性と食事や飲みに行ったと思う。
それだけ努力をして、なかなか結果に結びついていないのだから、男としてかなりあまり良い分類には入らないタイプなのだう。
そして時には、遊びで名前やプロフィールを変更して実験してみたりした。
例えばこうだ。
プロフィール
名前:タケシ
職業:自営業(魚屋)
年収500万
趣味:釣
こんにちは、福岡市内で実家の魚屋を継いでいます。仕事柄女性の方と出会う機会がないので登録しました。趣味は船釣りで、商店街の野球チームでは、ピッチャーで4番を打ってます。まずは友達からはじめられれば嬉しいです。
などなど
のようにプロフィールを書いた場合。
もう一つは。
職業:外資系企業
名前:シンジ
年収:2,000万円
趣味:ウィンドサーフィン
海外への出張が多く、なかなか女性と出会ことができません。
日本で休みが取れたときは、友達と博多港でボートして遊んでます。
海が好きなので、季節を問わず一緒に海に出かけてもらえる女性と会えたらいいなと思います。
などなど
とした場合の女性の反応は天と地ほどの開きがあった。
『あしあと』という訪問履歴を確認したところ。1日当りのカウント数が 『魚屋の場合は1~2人がプロフィールを見ている』のに対し、『外資系企業の場合は、20人を超えていた』
このようなサイトで1日に20人が見に来るというのは、衝撃的な数値である。
その『あしあと』の中から、だいたい3~4人の女性が積極的にアクションを起こしてきた。
“こんにちは、はじめまして。
シンジさんのプロフィール読ませていただきました。
出張が多くてお仕事大変なんですね!体には気をつけてくださいね。
私も小さい頃から海が大好きなんです。
共通の趣味って大切だなってずっと思っていたから、シンジさんと一緒に海に行けたら嬉しいです(^^V ”
みたいな感じで、シンジさんはものすごいアプローチを受けたが、一方 『魚屋のタケシさんは、タケシさんから連絡しない限りは見向いてももらえない結果』であった。
まあ、仕方ない。
ただし、ここで間違いの無い解釈をして欲しい。
これは単に、タケシさんが魚屋だからとか、趣味が野球だからとかいう問題ではなく、ようはプロフィールの書き方ってそれほど大切だということだ。
相手へのアピールで、シンジさんのように『ウィンドサーフィン』、『海外出張』または『ボート』とかいう武器がないのであれば、タケシさんはどれだけ手持ちの材料をどのように武器にするかがポイントということだ。
例えば
職業:小売店経営
趣味:フィッシング
“はじめまして。
経営者という立場からなかなか自由な時間が取れず、女性と出会う機会がありません。
スポーツが好きなので、休日は友達とボートで海へフィッシングに出かけたり、経営者の仲間と集まって野球をすることもあります。
などなど
船=ボート
フィッシング=釣り
稼業の魚屋 = いずれは自分が経営者
と変え、後は実際に会ってからどのように説明していくかが大事なのだ。
なぜなら、会えなければ何も始まらないから。
これはあくまで例えであるが、実際はどれだけ女性にウケるような表現を使って自分自身をアピールできるかがプロフィールでは大切ってことだ。
ウソをつけば幾らでも書けるのかもしれないが、将来を考えた活動であるのならば、直ぐバレるウソはやめた方がいいと思う。
ちなみに僕に、僕の描いたシンジさんを演じ、その女性と出会う自信はなかったので、一人の女性にはお断りの返事をし、別の女性には気のある返事をしたまま、サイトからシンジさんを消去した。
更に、女性になりきって登録もしてみました。
男が喜ぶプロフィールの書き方や、表現など同姓のツボは心得ている為、完成した〝女性のプロフィール“ は素晴らしく、効果はてきめんだった!
登録した瞬間、〝ものすごい数の男ども“ からメールが届くではないか!
そのメールの内容を、何故だか恥ずかしがりながら読んでしまう自分がそこにいた。
男どもの必死なアピール。
僕は、自分が送ったメールも “これだけ多くの倍率をくぐりぬけて” 出会いにつなげているのかと思い、恥ずかしがりながらも、満足感を感じた。
第3話につづく